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薄膜の形成方法について


薄膜を形成するためには、様々な条件を整える必要があります。こちらでは、薄膜形成方法の仕組みや良質な薄膜を作るためのポイントを紹介します。

薄膜形成方法の仕組みの一部をご紹介

▼イオンプレーティングの仕組み

基盤

イオンプレーティングは、真空中で膜にしたい材料を蒸発又は、昇華させた後、蒸発粒子をプラズマ中に通過させます。プラズマ中を通過した蒸発粒子は、プラスの電荷を帯びます。薄膜を形成するためには、基板(成膜の対象となる物質)に蒸発粒子を引きつける必要があります。

蒸発粒子がプラスの電荷を帯びたら、基板にはマイナスの電荷を印加します。これは、プラスの電荷とマイナスの電荷には引きつく性質があるためです。電荷同士の引き合う力を利用するため、密着性の高い膜を形成する事ができます。イオンプレーティング法では、高周波電源を用いて蒸発材料と基板との間にプラズマを作るのが特徴的です。

▼プラズマCVDの仕組み

分子

プラズマCVDは、イオンプレーティング法やスパッタリング法を含む物理的方法とは異なる化学的成膜方法です。膜としたい元素を含むガスを導入し、プラズマにより励起(れいき)や分解を起こさせます。その後、基板表面での吸着、反応などを経て膜が形成されます。

化学的成膜方法の一種である熱CVDでは、元素を反応させるために高熱を加える必要がありますが、この成膜方法ではプラズマが高熱の代わりとなるため、低温での成膜が可能です。

良質な薄膜を作るためのポイント

利用する成膜方法の仕組みを押さえる事や、スパッタリング法やイオンプレーティング法など様々な成膜方法が存在する中で、対象物に適した方法を選択する事は大切です。ただ、それだけでは、質の高い薄膜を作る事はできません。良質な薄膜を作るためには、成膜を始める前に、容器内を真空状態にしておく必要があります。

大気中や低真空状態(不十分な真空状態)で膜を形成すると、空気中に浮遊する水蒸気や酸素、二酸化炭素、窒素などの粒子が薄膜材料の粒子の移動を妨げてしまい、膜ができにくくなります。特に、大気中では薄膜形成はほぼ不可能です。低真空状態で、薄膜材料の粒子が対象物に到達した(膜が形成された)としても、薄膜材料が空気中の物質と結合して変質する、密着力が乏しい膜が形成されるなど、あらゆる問題が起こりやすくなります。

このような理由から、容器内をできる限り高い真空状態に保ち、空気中に含まれる余分な成分を減らす事が良質な薄膜を形成するポイントになります。

スパッタリング法による薄膜形成をご希望の方は、当社をご利用下さい。半導体や樹脂など、ご希望の物質への高分子薄膜真空薄膜形成を代行致しますので、ご要望はお気軽にお申し付け下さい。可能な基板サイズや処理枚数についてはサイトに記載していますので、依頼される際には是非ご確認下さるようお願い致します。

薄膜形成の依頼なら【ケイ・エム技研】概要


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